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中国の話(6)

宴会の後にはカラオケへ、日本では普通ですが、中国では…。

 大きな声では言えませんが、中国で一度だけ、カラオケへ行ったことがあります。どうして大きな声では言えないかというと、中国でカラオケと言えばれっきとした風俗店なんです。床屋で売春という話もよく聞きますが、カラオケに行くと若くてきれいな女の子がたくさん出迎えてくれたりします。一緒にカラオケを歌うのですが、その後は言わずもがなのことになります。

 杭州で宴会の後、カラオケに行こうということになりました。もちろん私はそのときはそんなことは知りませんから、日本と同じようなカラオケボックスだと思ってついて行きました。ところが言ってびっくり。廊下にはなんとなく猥褻な画や彫刻がならび、両側には立派な部屋が並んでいます。たくさんの女の子から一人ずつ選んでついてくれるシステムでした。

 私は日本でも女性が相手をしてくれる店にはほとんど行ったことがありませんので、大いにとまどいました。女の子と仲良くやれとか言われますが、こちらは中国語がわかりません。もう仕方ありませんから、酔ったふりをして寝てしまいました。ついてくれた女の子はとてもきれいな子で、日本人にあたって喜んでいたようでしたので、ちょっと申し訳ないことをしました。

 共産党の支配する中国では、建前としては風俗や売春はないことになっています。しかし実態はかなりひどくて、こういう商売がはびこっているようです。日本人でも風俗の好きな人も多いですから、中国ではそういう遊びに不自由しませんね。

 ホテルに泊まっていると、朝食のときに日本人のおじさんと中国人の若い女性とが一緒に食事にやってくるのを見かけます。中国では日本人はとにかく金持ちですから、日本では女性に見向きもされないような人でも、中国ではもててしまうのです。もちろんこれはお金の力ですが、外国に行きたいという願望もあるのかもしれません。私は妻ひとすじですので、他の女性とつきあいたいとは思いませんが、このあたりは中国駐在のサラリーマンの役得ということになっているらしいです。

 さて、カラオケ店を出るころにはもう深夜になっていました。ところが店を出て二度びっくり。大勢の人だかりができています。何の騒ぎだろうと思っていると、これが「乞食」の集団なんです。高級カラオケ店ですので、客は金持ちばかりです。一晩で普通の人の一月分の給与くらいのお金がかかります。そういう金持ちをねらって、押し寄せてきています。乞食といっても日本とは全然違って、お金や入れる缶を持って迫ってきます。何だか大声で言っていますが、もちろん何を言っているのかわかりません。

 当然、相手にせずに車に乗り、ホテルまで送ってもらいました。しかし中国まで来て何をしているんだ…。その後も乞食というのはよく見かけました。あまり書けないようなこともいろいろ見ました。中国共産党は何をやっているんだ!などと思っていましたが、金庸の武挾小説には乞食の徒党「丐幇」などというものが出てきます。乞食が多いのは昔からだったようです。

 このごろでは日本風の、若い人の行くようなカラオケも出来ていているそうなので、こういう話はいずれ昔話になっていくのでしょうが、現代中国の裏の面を少し見せてもらったという話でした。


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連載(70) 2005.01.22

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